さいたまで生まれた。
生まれたのは東大宮という土地だ。
今でこそベッドタウンとしてにぎわう街であるが、昔の東大宮といえば、雑木林だの葛の葉の広がる広場だのも多く、自然いっぱいの土地だった。
電車も昼間は1時間に1本とかそんな場所だった。
一番遠い記憶は何だろう。
子供の頃といえば、まだ、近所の違う歳の子供どおしで遊んだりも普通のことだった。
家のはす向かいの家のお姉さんと近くの小川へ行った記憶。
おたまじゃくしがたくさんいたのを覚えてる。
どんなシチュエーションだったか、そのお姉さんが怪我をして動けなくなった。
僕は大人を呼びに急いで家に走った。
家に戻るのに躊躇があったか、その後どうしたか、あまり記憶がない。
その後もそのお姉さんと遊ぶことがあったのか、そんな記憶もない。
確か、その家からは僕が子供の頃のうちに死人が出た。
それが、そのお姉さんだったのか。
そんな記憶が、遠い記憶として残ってるのはなぜなんだろう。
子供の頃には、もっとそれに付随する記憶の束があって、記憶の反芻をしたりしたのだろうか。
今はもう・・。