原っぱの次は、雑木林の思い出話をしよう。
***
原っぱだの、雑木林だの・・子供の頃の東大宮といえば、そんなかんじの自然いっぱいな土地だった。
一応、住んでいた場所は、住宅地。
国鉄が、東大宮駅ができることを約束のもと、作った住宅地だ。
祖父も、父も、鉄道員だった。
でも、カブトムシやらクワガタやら夜になれば、ときには飛んでくることもある。
そんな場所。
住宅と、原っぱと、雑木林が並立してる場所だった。
***
子供らしく、カブトムシとかクワガタムシとかは大好きで、また、僕はといえばB型らしいマニアックな性格上、それら甲虫類の採取では、近所の誰にも負けなかったと思う。
何本かの甲虫類が集まる木を知っていて、夏には毎晩、そんな木々や街灯を巡回するのが日課だった。
***
でも、雑木林の思い出は、そういった昆虫採集の思い出とはちょっと別のもの。
家から二つ目の門を曲がって、病院からの道を少し行った左手の雑木林が好きだった。
木々がうっそうと茂るという感じではなくて、わりと、小ぶりの木が多い。
下草もそんなに茂ってなくて、木々の間を歩き回れる。
木々の間は、昼間でも薄暗い。
そんな雑木林。
ここでも、ひとり遊びが多かったな。
決して、友達が少ない子供じゃなかったのだけど、ひとり遊びも好きだった。
日がな一日、その雑木林の中。
何してたんだ?
珍しげな植物を見つけたり、蕨や野蒜なんかの山菜類をつんだり(山菜類は嫌いで食べれないのだけど)。
山菜は、雑木林の近くのKさん(大きな家)のおばあちゃんに持っていったりした。
***
実際、何してたという具体的な記憶は薄いのだが、雑木林のイメージが鮮明に残っている。
で、
この年齢になって、そんな雑木林のイメージを求めて、雑木林の土地を買いたい・・と思う。
結構、本気で思っている。
買って、日がな一日、木々の間で雑木林のイメージにひたりたい。
そう思ってる。