今回は、身近な人と自分の距離感、そしてキャリアについてお話をします。

 「大学のゼミの友人は、内定を複数持っている。自分は焦って空回りをする。」という相談が全国から寄せられる時期になりました。
 友人の内定複数?でも行ける会社はひとつです。正直羨ましいですよね。近くの友人はある意味、自分の求めているものを映す鏡ですし。別の視点では、自分の「やる気のスイッチ」になってくれますから。
 「同じ状況で学んでいるのに、何故?」って思ってしまいますね。 
 くやしいほど上手く行っている人っているものです。特に、自分にはない「力」を発揮する人。そういう人を身近に感じることが大事です。ねたむのではなく、その能力とスキルに嫉妬する関係。これは、自分のキャリアに対するモチベーションを高めてくれます。なんとかその人を追い越したい、と思いますからね。

 誰でも自分が一番になりたい、と思っているものです。私も40歳になった頃、自分のキャリアデザインをしてみようと一念発起。そのとき座右の銘として自分で作った言葉が、「一番になれなくても、一番最初になる」でした。
 私は繊細でないくせに、気が小さい。人と競争するのは、正直苦手です。それに一番になるのは並大抵のことではなさそうだし、なれなければなれないで、またくやしいはず。
 だったら、トップにならなくても、なんでも一番最初にやってみよう、と思いました。
 だから私にとってのライバルは「あ、そのアイディア、私も思いついたのに、先に実現しましたね」という人。いつだったか、女性の人生をシミュレーションするゲームを作りたいと思いついたら、既にアメリカに同じゲームがある、と教えられてがっくりしたことがあります。でも、そういうことがあるたびに、次は私が一番最初になろう、とまたファイトが湧くものです。
 
 同じ土俵で勝負をしなければ、ねたむことにはなりにくい。自分にはない相手の力に素直に感心しながら、今度は自分の持っている力で一歩先に行きたい、と心に火をつけるきっかけになりますからね。そんな純粋にプラスの力を与えてくれる身近な人を持つことは、自分のキャリアの力になります。
 また、仕事関連ばかり見てはいけません。自分の能力を広げるためには、色々な面で活躍している人の情報から自分自身の「マイライバル」を作ることです。趣味の領域や、実際には面識の無い人でもいいのです。
 もう一面はライバルには必ず「尊敬」するところを見つけることです。そうしないと単に競うだけで成長が陳腐な事になりがちです。
 自分の良さというのは、自分では分からないものです。友人の良さを伝えてみてください。必ず、友人は貴方の良さを教えてくれますよ。