キャリア形成に必要な意識とは?時代が変わると何が変わるのでしょうか?
私は過去の変化の中で、ハードとソフトの関係を数ある目安のひとつにしています。
ハードは機械だったり、設備・建物のようなもので、ソフトは製品・商品やサービスなどですね。
ひとつの例がパソコンです。マイクロソフトのウィンドズの出現はパソコンを本当の意味でパーソナルにしました。ここから急激な発展進化を遂げて、今ではビックデータの時代になりました。
コンピューターの技術者にも様々な変化が起きています。技術的な変化だけではなく、利用者のニーズも使用方法も変わっています。もうパソコンは家電に近い使われ方です。20年前では考えられなかった事です。
そこで、ちょっと考えましょう。日進月歩の変化に必死に対応しなければならないものと、普遍的なものはなんでしょうか?
どんなに素晴らしく高度な技術を持って、技術変化に対応していても、サービスマインドの低いサービスエンジニアはクレームが多く、顧客満足度が低いため、仕事は来なくなります。
キャリアの側面からも、人間が生きていくうえで、必要で普遍的な能力はこのソフトの部分が大きいようです。
そこで、私は21世紀に生き抜くために、意識して身につけておいた方がいいものを5つあげてみました。
V volume 量を意識する
仕事の情報量は、受身では限られてしまう
V variety 多様性を意識する
仕事を多面的に見ることで「考える」ことが出来る
V value 価値を意識する
自分の仕事に価値を持たせられるかを考える
V voice 声の質を意識する
自分の声は、心、やる気が「見えるもの」と知る
V victory 勝利の意味を意識する
仕事には「達成感」というゴールがある
私は、この「5v」という意識が自分を変化させて、変化にあたふたする自分から、変化を自分で作る能動に変えられると伝えています。
そうです。変化は必ずあるもので、それに対応することから「変化は外でなく、内なる自分から」と意識し、変化させる時代になっているということです。
社会変化が激しい時代に女性が結婚、出産、育児でキャリア(仕事)から離れたら、もう通用しないのではないか?と不安に思う人が多いのですが、本当にそうでしょうか?
私は30年以上前に銀行の窓口で仕事をしていました。
今の銀行業務はまったく違っていることでしょう。ただ、御客さまのニーズを考えて事務処理をどうやったら正確に早く出来るかを考え練習をしました。結果、余裕を持って接遇やセールスが出来るようになったのです。
お客様との触れあう時間が多ければ多いほど相互信頼が生まれ、お客様の要求や様子は更にわかるようになるという好循環が生まれ、面白さとやりがいを知りました。
私も結婚出産を機に仕事を離れましたが、30年過ぎた今でも、いえ30年過ぎたからこそ、あの当時の仕事が今でも十分役にたっていると実感出来るのです。
キャリアのなかで中断している時間に起きた出産も育児も家事もすべてが次のキャリアに形は違っても繋がります。
大学の教員と銀行の窓口業務には表面的には共通性はありません。しかし、常に「今求められていることは何か」「それをどうやったら提供できるのか?」と自問自答する姿勢は30年前に出来たものです。
10年前の社会では、キャリアは積み重ねるものと考えられていましたが、こんなに社会変化の激しく早い時代では、積み重ねていても、それが通用しなくなったりすることは増えてくるでしょう。
それよりも、ピーター・ドラッカーは、多様な経験、学習で違ったキャリアになっていく「パラレルキャリア」を提唱しました。ひとつの職業だけに囚われず、非営利な活動もキャリアであると。
まさに家庭での母親の仕事は非営利な活動のひとつではないでしょうか?それが社会性・営利性が少なくとも、そこで培ったすべての経験は、また新たな場面で役に立ちます。
しかし、この「役に立つためには」、役立てるのだという意識と考えを持つことが必要です。結婚で退職をしても、継続的に働いても、どちらにしてもあなたの仕事は、将来、形が変わって、見え方が変わっても役に立ちます。
どうぞ中断という考えから、繋がっているという意識に変えてください。
人づきあいの難しさを良く相談されます。その時にどんなことを提案しているかを少しお話します。
気持ちが落ちていると、何を見てもやっても楽しくないでしょう。少し離れた考え方で人づきあいを考えてみます。
まず、私たちは一生の間に互いが氏名・顔・属性を知っている「知人・友人」は何名程出会うと思いますか?
小中高の12年間、40名学級で毎年クラス替えがあったとしたら「知人・友人」は480名。次に大学・地域・親戚をここで100名としましょう。
更に社会に出て会社です。どんなに大きな会社に入っても、組織で部署以外ではそう広がりませんので100名。
そして会社の顧客や関係先等がありますが、この仕事関係者は、知っていても「利害関係」の人ですので、「知人・友人」ではないと考えます。それでも、会社の垣根を越えて「知人・友人」レベルになって行く人も100名。
そして配偶者が出来て、その配偶者の「知人・友人」、新たに生まれた地域や親せきを200名程度とします。
一生で「知人・友人」は1,000名程度だと考えられませんか?
そう考えると世界中70億を超える人間の中で、互いに「知っている」と言える人が1,000名とは随分少ないかも知れません。
この1,000名に支えられて生きているのだと考えると、本当に「一期一会」「他生の縁」という言葉の重みを感じます。
そこで、"人づきあいが苦手"意識を少し楽にするために、「人間関係のメンテナンス」として、「人脈の木」を描いてみてください。木の枝に「友人」「会社」「親戚」「趣味仲間」「地域」「先輩」等、知人を分類して、それぞれの人の顔を思い浮かべながら書き出してください。
すると、自分が様々な場面で人と繋がりながら「今を生きている」というのが実感されると思います。
多分営業という仕事の中で、人に会っているというのが苦しくなっていると思いますが、会った方々からも沢山のことを得ている、時間を共有しているという気持ちに少しでも切り替えられたら、今の心が落ち着くと思います。
また上司は部下を「出来ない奴」と思わないと考えて相談して下さい。「自分をどう活かすか」の相談ですから。