待てる人たち

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 これが今から3年半前、オランダにきたばかりのたけじろうがびっくりした場所”ブルーナ” Tilburg heyhoef(ハイホフ)店。      

         

<”bruna(ブルーナ)”は、かの「うさこちゃん」の生みの親Dick Bruna氏の一族が経営している、オランダ全国ネットの、本&文房具一大チェーン店。>

 ここで驚いたのは、レジの店員さんが、ひとりひとりに対応する持間の長さです。

 その時のお客さんは7〜8才の少年。彼がは何かが買いたくて、レジカウンターへ。でも説明するのがむずかしいなー。

     

  <この子たちぐらいの年のころ、だったかな?(別人です・・)>    

 マダム風の店員は、目線を落として「あなたが欲しいのはこれ?それともこれ?」ちがう、ちがう、それもちがう・・・。やがて彼のうしろには長い列。

 それでもマダムは根気よく、「じゃー。これかしら??」すると列に並んでいた男性が「これこれじゃないか?」さらにそのうしろの女性が「ああ、うちの子はこれ使ってたけどあれじゃない?」てな調子で、やがて並んでいるみんながケンケンガクガク。

  <この子たちはちっちゃすぎー。でもきゃーわいぃから載せちゃおう!>       

 さて少年は、希望のものが買えたのか?それは記憶にないけれど、結果よりも何よりも、子どもだろうがなんだろうが、とことん時間をかけて対応する売り手がわ、主張する買い手がわ、さらに並んでいる人たちの自然体でのコミュニケーションに、わたしはびっくりアゼンとしたのだよ。

 これが、「この国はなんか違う!」とたけじろうが感じた、最初のシーンでした。

 それまでは、「何でも遅くて待たされて、不便な国だなー」と思っていたたけじろう、この日はじめて 「これってひょっとすると、”ひとりひとりの思い”が”効率”よりも重んじられている、ってこと??」と思い至ったのでありました。

 つまりは”利益”よりも”人権”が大切にされている、と言ったら大げさか ?

 でも実際、待つだけ待って自分の番になったら最後、とことん時間かけてもモンクなし。これって、気兼ねがなくていい気分。けっこう満たされる感じなんだなぁ。

           

 <こちらの子どもたちは、よく踊ってます。また無関係な写真でごめんちゃい>

 長ーい列ができてもあわてず急がず、「売ってあげる」といった風の店員さん。彼らの”人権”も、これまたそうとう守られてる。時にはコーヒー片手に悠々と接客し、「お待たせしてすみません」なんて、口が裂けても言わないし・・・

 そこであるときたけじろう、オランダ人の友達の多いわが子に聞いてみた。

「ねえ、こっちの人ってみんなすごーくよく喋るけど、聞くときはよく聞くよねー。」

そしたら彼女いわく、「ううん、人が喋ってるときは黙ってるけど、全然聞いてないんだよ。」だって!

「人権尊重」も、日常生活の中では「喋るだけ喋らせれば気が済むさ」っていうレベル?それでも、ないよりはましか??

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