「埼玉県観光人材育成」4者で協定
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埼玉県と立教大学、財団法人埼玉りそな産業協力財団、株式会社JTB首都圏の4者は、それぞれの地域で観光振興のエンジンとして活躍できる人材を育成するため「埼玉県観光人材育成」に関する協定を締結が、2010年年2月16日(火)14:00から埼玉県庁庁議室で行われました。
■上田清司埼玉県知事あいさつ
年頭の定例記者会見で【埼玉「超」観光立県宣言】をさせて頂きました。
世界遺産なし、温泉なし(鉱泉はたくさんありますが…)、こうした状況を逆手にとって埼玉らしい観光を創りだそうという意気込みを明らかにさせて頂きました。とは言うものの、実は埼玉県には、たくさんの全国屈指のものがあります。
蔵造りの町並みでは、全国3位である「川越」。ライン下りでは全国4位にランクされる「長瀞」。また企業博物館では全国第1位の「鉄道博物館」、最近ではアニメで人気を博しました鷲宮神社の「らき☆すた」などでは、由緒ある川越喜多院の元旦の初詣来場数を超える、県内2位の人出となるなどの快挙を遂げております。
ゴールデンウィークには、18年から秩父市羊山公園の「芝桜」の行楽客は、連続3年間、全国でベスト10入りをするということもすごい事です。ゴールデンウィークの候補として、全国、北の方から数えていっても、小樽・札幌コースもいい、函館も悪くない、世界遺産の知床もいいと、北海道だけでもすぐ3つくらいあげられる。弘前も桜の時期ですし、松島も、仙台・・・会津若松も、関東に入れば日光も、ディズニーランドも当然ですし、鎌倉・箱根もという事で、静岡あたりまでで10ヶ所くらいはでてきますので、そういう意味では秩父の「芝桜」はすごいのではと思います。
私たちは、4,000万人という首都圏の源があるという大きな戦略にしなければならないと思います。昨年のNHK連続テレビ小説「つばさ」に代表されますように、一度、脚光を浴びると、やり方によってはオーバージャンプした部分が、そのまま定着していくと言われています。
川越が昨年3・4割バージョンアップしたところを維持していけばすごい世界になって行きますし、また行田を舞台にした「のぼうの城」がクランクインすることにもなっています。
忍城も再建され、古代史がみえる鉄剣が発見され、大和朝廷の全国支配の状況もみれる、或いは、円墳では日本一という「さきたま古墳群」がありますし、こうしたものも上手く観光資源として活かせば、場合によっては川越以上の観光資源があるのではと思います。
それにしても一番大事なのは、町おこしを通じて、観光につなげていくような人材がいるところからスタートするのだと思います。
観光に導き、ヒットさせる仕掛け人がいるというのが、最終的な勝利の方程式になるのではと思っています。
今回のように、様々な経済分析をして頂ける、「財団法人埼玉りそな産業協力財団」。そして、旅行客を集めることにはナンバー1の「株式会社JTB首都圏」。日本に於ける最初の観光学を開発してきた「立教大学」。こうした蓄積のあるそれぞれの皆様の力を借りて、観光の勝利の方程式になる観光の仕掛け人を育成する試みを丁寧にやって行きたいと思っています。
■財)埼玉りそな産業協力財団 利根忠博理事長あいさつ
埼玉県内に特化したシンクタンクという事で、埼玉県内の企業動向や、経済調査、そして地域の公共団体のコンサル、産学の交流事業、各種のセミナーを開催して、県内の産業振興の中で役割を果たしていければと活動している。
観光面では、経済波及効果を分析して発表する機会があります。そういう意味でも、観光というのは色々な分野で波及効果があると認識しています。
今年、知事が観光立県宣言を行いましたが、日本全体としても昨年、観光庁ができたり、観光立国の基本法みたいなものができて、人口減少化の中で、或いはグローバル化の中で、人が集まるところを、どんどんつくっていこうというのが、これからの日本の動きだと思います。
地域を代表する人材を、観光という切り口からつくっていきたいと思います。海外からも人を呼べるような、交流の場をつくっていきたい。
■立教大学 豊田由貴夫観光学部長あいさつ
立教大学では60年ぐらい観光に関する教育の歴史を持っています。
終戦直後、ホテル業講座というのをはじめ、その後、日本の4年制の大学で初めて観光学科というのを1960年代につくり、4年制の大学で初めて観光学部というのを10年以上前に設置しました。
大学で学生を教えるだけでなく、一般の社会人向けにもいくつか講座を行っています。「旅行業講座」「ホスピタリティマネージメント講座」、経済産業省からの支援を受け「サービス人材育成プロジェクト」、さらにアジアからの留学生を迎えて「アジア人剤プロジェクト」も行っています。
今回、埼玉県あるいは、その周辺地域で観光の開発に関わることができて、とてもうれしく思います。
■(株)JTB首都圏 野口英明代表取締役社長あいさつ
JTBでは、交流文化産業へ脱皮しようと、企業活動を続けています。
まさに、観光は人々の交流があって初めて観光ができるということであります。そういう意味では、埼玉県という首都圏の中で3500万(1都3県)という多くの人口があります。
この人たちが埼玉に集まって、また埼玉から千葉、あるいは埼玉から東京、という色々な形で動くというのが、新たな産業、一つのビジネスを生んでいくという事が考えられます。
この人材育成をしながら、キーワードはまさに「おもてなしの心」「お客様目線」という観点で新たに、埼玉県のなかの観光素材を一つの商品としていく、ビジネスモデルにできればと思っています。
■観光人材育成講座の概要について
【ねらい・目標】
昨年秋に開発した着地型旅行商品「埼玉体験旅クラブ」がある。
持続的に創出していく、その為にエンジンとなりうる人材を育成していくという事が講座の目的。
その為には、必要な3つの機能があり、地域が主体となって確立させる必要がある。
1.地域資源を組み合わせる機能・・・価値の創出
1.地域の受け入れ機能・・・オペレーション機能
1.顧客接点・・・情報発信、販売体制機能
これら3つの機能の確立をさせることが必要だと考える。
以上の仕組みが伴わない流れでは、単にモニターツアーの実施にとどまってしまう。本講座の目的は、地域が主体となりこれら3つの機能を意識した、持続的な着地型旅行商品の創出を担うための人材を育成するところにおいている。
【カリキュラム概要】
・第1回 オリエンテーション
・第2回 地域と旅行会社の商品化に関する視点の違い
・第3回 観光商品のプロデュース「埼玉体験旅クラブ」「B級グルメ」
・第4回 JR東日本「駅からハイキング」の取組〜地域素材を活かす・地域との連携
・第5回 着地型旅行商品の販促手法と地域内オペレーションの仕組み
・第6回 農商工連携・特産物開発の支援・事例
・第7回 地域の中核的組織(ランドオペレーター)の役割と運営
・第8回 商品の販促・販売に向けたインターネットの有効性・可能性
・第9回 インバウンドの誘致の可能性と方向性
・第10回 観光事業のビジネスモデル(総括)
※各年度50名の参加を見込んでいる。
【役割】
実費部分は、財)埼玉りそな産業協力財団。マネージメント・講座などのカリキュラムのノウハウ提供は、(株)JTB首都圏。講師の派遣などは立教大学。県は連絡調整や講師としての参加などをする。
■調印式
上田知事と語る埼玉自慢ブログ【彩じまん】編集部・木原真弓
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